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うつ病や心の病に漢方薬が効果あり―保険適用の漢方薬による新たな治療法とは?

~生涯で15人に1人はうつ病を経験!?~

 

【うつ病は、増加の一途を辿る】
平成14年に厚生労働省が行った調査では、うつ病の有病率6.5%であり、
15人に1人が生涯に1度はうつ病にかかる可能性があると報告されています1)。
その後もうつ病患者は増加し続け、平成20年には100万人を超えました2)。

「からだがだるい」、「やる気がでない」などの症状を感じる方は「うつ病」のサインかもしれません。
5月は仕事環境や季節の変化に対応するため、体に強いストレスが加わります。
過度なストレスは体の機能を調節している自律神経が乱れてしまい、うつ症状を引き起こします。
東洋医学ではうつ症状の原因を気虚(気が虚すること)と表現されます。
漢方薬は自律神経の調節や気を補う効果があることがわかっているため、多くの病院で使用されています3)。

 

参考文献
1)川上 憲人ほか:地域住民における心の健康問題と対策基盤の実態に関する研究:3地区の総合解析結果平成14年度厚生労働科学研究費補助金
(厚生労働科学特別研究事業)心の健康問題と対策基盤の実態に関する 研究分担研究報告書:1,2003.
2)厚生労働省 患者調査,2008.
3) 辻 稔ほか:中枢神経系疾患に対する加味帰脾湯の臨床的有用性と薬理作用の特徴.脳21. 2015; 18(4): 326-330.

 

【うつ病に有効な漢方薬とは?】

▶補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きをよくして体力を回復させ、元気をとりもどすのを助けます。体の疲れ、食欲不振、胃弱、
夏やせ、こじれて長びくカゼ、痔、あるいは病中・病後、手術後などで体力が弱っているときに用います。

 

▶加味帰脾湯(かみきひとう)
胃腸を丈夫にし、貧血症状を改善します。また、不安や緊張、イライラ感をしずめ、寝つきをよくします。
体が弱く繊細で、貧血気味、さらに微熱や熱感をともなうときに向きます。

 

▶抑肝散(よくかんさん)
神経の高ぶりをおさえ、また、筋肉の“こわばり”や“つっぱり”をゆるめて、心と体の状態をよくします。
イライラ感や不眠などの精神神経症状、あるいは、手足のふるえ、けいれん、子供の夜なき、ひきつけなど
に適応します。

 

▶加味逍遥散(かみしょうようさん)
血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。
また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。どちらかというと女性向けで、体が虚弱で疲れ
やすく、イライラや不安感をともなうときに向きます。
手足の冷え、のぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに
適応します。また、そのような症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも好適です。

 

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気分の落ち込みや眠りが浅くなった、疲れが取れにくいなどの症状が悪化し、深刻な病気に発展するその前に、漢方薬による優しい治療をお勧めいたします。
まずは、一度お気軽にご連絡ください。
漢方外来総合ご予約・受付センター電話番号:03-4405-8923
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2016年5月4日

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